きぬさや教育塾

小学校での教員生活の経験を生かし子育てを応援します。

「行ってらっしゃい」はおまじない

川越市 時の鐘

朝、忙しくても「行ってらっしゃい」言っていますか?

私は、朝家族が出かけるとき、できるだけ「行ってらっしゃい」と見送るようにしています。もちろんできない時もありますが、自分のほうが先に出るときは「行ってきます。」と「行ってらっしゃい。」を一緒に言います。手が離せない時は大きな声で。

昔はあまり気にしていなかったのですが、2004年の長崎県佐世保市女子児童殺害事件(小学6年生の女子が校内で同級生にナイフで刺されて亡くなった事件)の亡くなった少女のお父さんの「朝忙しくて声もかけずに学校に行かせてしまった。それが心残りだ。」というようなコメントを新聞で読んだとき、お父さんの無念さとこの世の中次の瞬間どうなっているかわからないんだ、と思いました。だから、今この瞬間が本当に大事なんだと思うと同時に、なにが起こるかわからないのなら、家族を送り出す時、できるならきちんと顔を見て送り出したい、と思ったのです。

それ以来、「もし万が一」の時、後悔したくないという思いで、できる限り顔を見て送り出してきました。「忙しい」時もなぜかその言葉が浮かんできて、ほんの少しの時間だからと顔を見て送り出しました。

「もし万が一」があっては困るし、もしあったら例え「行ってらっしゃい」と言っていたとしてもいろいろな後悔が残るのもわかっているのですが、私にとっては無事に帰って来てくれるためのおまじないにもなっているのです。

「おはよう」「いただきます」「行ってらっしゃい」「行ってきます」「ただいま」「おかえり」「こんにちは」「おやすみ」。毎日繰り返す挨拶は、家族がお互いの元気を確かめ無事を祈るおまじないのようなものではないかと思うのです。

家族同士で大きな声で挨拶ができる子は他の人とでも挨拶ができます。それは人とのコミュニケーションの第一歩であると思います。

今日も一日家族の無事を祈りつつ、大きな声で「行ってらっしゃい」「行ってきます」これからも続けていきたいと思います。